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導入事例

ケーススタディ Vol.3 エントリーVPN ECO-CONNECT 導入の成功事例②

株式会社平成建設 様

「東西拠点間の相互接続を気にせずネットワークを運用管理できるよう、VPNをECO-CONNECTに変更しました。CADマスターデータの転送時間が5時間から2時間に短縮されたのは、予想していなかったうれしい誤算です」

株式会社平成建設 総務部 情報システム課のみなさん

株式会社平成建設

「大工になりたい」と、高学歴大卒者の入社希望者が殺到する株式会社平成建設(以下、平成建設)。商圏が県外に拡がるのに伴い東西エリアのVPNを相互接続していたが、ネットワーク構成を簡素化するためVPNをECO-CONNECTへと切り替え、運用管理とコストの負担を軽減することに成功した。 ECO-CONNECTを導入した経緯と効果について、詳しく話を伺った。

目次

  1. 内製化にこだわり、ビジネスを拡大する平成建設
  2. 間接部門と直接部門の円滑な連携をサポートする情報システム課
  3. 東西エリア間の相互接続が不要なVPNサービスの導入を検討
  4. ECO-CONNECTを選択した3つのポイント
  5. 実際の拠点間で接続テストを実施し、ルータの稼働と通信速度を検証
  6. 5時間かかっていたデータ転送が2時間に短縮
  7. 内製化をより強固で有意義なものにするために

1.内製化こだわり、ビジネスを拡大する平成建設

写真提供:株式会社平成建設

新設住宅着工件数が大幅に減少し、マンションブームも終焉。建設不況とまで言われる建設業界において、静岡県沼津市に本社を構える平成建設は業績を順調に伸ばしている。

公共工事には手を出さず、価格競争には見向きもせず、建設業界の慣行であるアウトソーシングも利用しない。徹底的に内製化にこだわり、高学歴の大卒者を正社員の大工として採用する「業界の異端児」たる姿は建設業界のみならず、テレビや雑誌などマスコミで取り上げられることも多い。

「当社は、地域に密着し、お客様一人ひとりの目線に立った、満足度の高い建物を作り上げるため、徹底的に内製化にこだわっています。アウトソーシングをしてしまえば、現場の大工は元請け会社の顔色しか見ませんし、家主の顔も知らないまま家を建てることになってしまうからです。

内製化を実現するために必要な人材を確保するため、大卒者を大工として採用しているのですが、各方面で取り上げられることも多くなり、現在では、本社のある静岡県周辺だけでなく、日本全国から応募者が来るようになりました」
(株式会社平成建設 総務部 情報システム課 課長 渡邊 直城氏)。

一方、アウトソーシングを活用しないと効率が落ちるのではないかという指摘に対して、平成建設には当てはまらないと説明する。

「営業から設計、デザイン、施工管理、基礎、足場、型枠、鉄筋、大工、そしてアフターメンテナンスまで、すべてのプロセスを内製化していますので、情報共有環境を整えれば、社内でリアルタイムに情報をフィードバックできるようになり、作業効率はむしろ向上します。その結果、トータルな体制でオーダーメイドサービスを提供することができるようになりますので、付加価値も高めることができると考えています」(株式会社平成建設 総務部 情報システム課 主任 河野 秀人氏)。

2.間接部門と直接部門の円滑な連携をサポートする情報システム課

「ソフトウェアの開発も内製化にこだわっています」(渡邉氏)

平成建設における内製化は、建設作業だけに止まらない。ホームページや広告のチラシ、システムやネットワークを構築・運営するSEまで、できることはできる限り自分たちでやらないと気が済まないのだという。

「会計関連のソフトウェアを除き、ソフトウェアはOSS(オープンソースソフトウェア)などを活用しながら、自社内で開発しています。システム構築の予算が潤沢にあるわけではないということもありますが、市販のパッケージソフトウェアでは、現場や経営者の要求を満たす機能を実現できないというのが一番の理由です。逆に、当社の開発したソフトウェアには、建設業が効率を上げるためのノウハウが凝縮されていますので、その一部を同業者向けに外販したりすることもあります」(渡邊氏)。

もちろん平成建設における情報システム部門の役割は、ソフトウェアを開発することだけではない。他の会社と同様、部署間の壁を越えてすべての社員がスムーズかつ働きやすい環境を実現することが求められている。だからこそ、出来合いのソフトウェアに業務を合わせたり、我慢しながらシステムを使うのでは、独自のビジネスモデルを生かし切れないのだろう。

「常に現場の社員とコミュニケーションを取りながら、使い勝手や機能の向上に取り組んでいます。しかし、ただ求められた機能を追加するのではなく、本当に業務に役立つと考えるものは、多少使いにくいと言われてもそのまま使ってもらいます。そんな場合でも、慣れてくると便利だという声が多くなりますが、そういう現場との信頼関係を確立するのには、少なからずお互いを理解するための時間も手間も必要でした」(渡邊氏)。

秋元 久雄代表取締役社長の言葉を借りれば、情報システム課が所属する総務部は、間接部門と直接部門が共存する一つの森(平成建設)の飼育係であり、時には「猛獣使い」のような存在だという。平成建設においては、情報システム部門の業務も一筋縄では行かないようだ。

3.東西エリア間の相互接続が不要なVPNサービスの導入を検討

このように、他の建設会社から見れば常識外れとも言える経営戦略によって、平成建設は順調にビジネスを成長させてきた。その業績の拡大にともない、商圏は本社がある静岡県東部のみならず、同県中部や神奈川県へと拡大。さらに今後は首都圏への進出も計画しているという。

「首都圏のほうが高い利益を見込めます。さらに首都圏で働きたいという人材も増えてきています。しかも都心に行けば行くほど大工や職人が少なくなる傾向にありますので、当社に取っては大きなチャンスがあると考えています。もちろん情報システムやネットワークも、ビジネスや商圏の拡大に合わせて拡張していく必要があります」(渡邊氏)。

具体的には、商圏が拡大してきたことで、各拠点を接続しているネットワークがその成長へと柔軟に対応できなくなったという。

「2006年よりすべての拠点をVPNで接続し、社内で開発したグループウェアを活用してきました。工程管理や日報などの業務は、すべてこのグループウェア上で管理していますので、新たな拠点を設ければ基本的にはVPNで接続することになります。

しかし、以前利用していたVPNサービスは、西日本エリア(静岡県)と東日本エリア(神奈川県)のネットワークを別々に構築し、相互に接続しなければならない仕様だったため、ネットワークの構成が複雑になり、拡張性に乏しいものとなってしまいました」
(河野氏)。

すなわち、本社(静岡県沼津市)と厚木支店(神奈川県厚木市)に固定IPアドレスを用意して、東西間のネットワークを接続していたのだ。しかし、今後、東日本のエリアに拠点が増える可能性があることを考えると、東西地域間の相互接続の仕組みを維持していくのは得策とは言えず、ネットワークを一元的に運用・管理できるVPNサービスへと切り替えを検討することとなった。

「当初利用しようと検討していたVPNサービスがあったのですが、そのサービスは拠点数が一定以上に増えると利用コストが跳ね上がってしまうことがわかりました。そこで、拠点数がある程度増えても、低コストでネットワークを一元管理できるVPNサービスを探していたところ、フリービットのECO- CONNECTの存在を知りました。

それまでは、フリービットという会社名もECO-CONNECTの名前も知らなかったのですが、個人的にフリービットのグループ会社であるドリーム・トレイン・インターネット(DTI)のインターネット接続サービスを使っていたことがあり、上場もしている会社なので安心してお付き合いできると判断しました」
(河野氏)。

ECO-CONNECTによるネットワーク構成

4.ECO-CONNECTを選択した3つのポイント

東西エリアのネットワークを一元管理できるVPNサービスの中から、平成建設がECO-CONNECTを選んだポイント3つ。

(1)ランニング費用が増加しない

「ネットワークが一元化されてもランニング費用(月額の利用料金)が増大してしまっては、VPNサービスを変更する意味が半減されてしまいます。そのため、固定IPアドレスの利用料なども含め、変更前と同等もしくはコストを削減できるサービスを選択しました」(河野氏)。

(2)既存のルータをそのまま利用できる

「既存のルータが利用できなければ、拠点数分のルータを新たに購入しなければなりません。それでは、導入費用の負担が大きくなってしまうので、既存のルータが利用できることを確認しました」(河野氏)。

(3)通信速度を確保できる

「ベストエフォート型のサービスなので通信速度は保証されないのは理解していますが、近年、当社におけるネットワークのトラフィック量は増大し続けている、極端に通信速度が遅いサービスは選択できませんでした」(河野氏)。

5.実際の拠点間で接続テストを実施し、ルータの稼働と通信速度を検証

「テストアカウントを発行してもらい接続テストを実施し、既存ルータの稼働を事前に確認しました」(河野氏)

そこで平成建設では、フリービットよりECO-CONNECTを利用するためのテストアカウントを入手。実際の拠点間で接続テストを実施し、ルータの稼働確認と通信速度の測定を実施した。

「フリービットに要件や仕様を確認したところ、テストアカウントを発行してもらえるという申し出をしてもらえたので、実際に接続テストを実施してみることにしました。

VPNサービスでテスト運用できるケースは珍しく、最初は少し驚きましたが、そのおかげで既存のルータがそのまま利用できることも、以前利用していた VPNと同等以上の通信速度を確保できることも確認することができました。あとは、費用を確認するだけだったので導入をスピーディに決断できました」
(河野氏)。

実際のネットワーク切り替え作業は、ルータの設定を変更する作業で済んだ。平成建設ではルータなどのネットワーク機器を社内で運用していたので、検討を開始してから実質2カ月ほどでVPNの切り替えを終えることができたという。

6.5時間かかっていたデータ転送が2時間に短縮

ECO-CONNECTの導入効果については、ネットワークの構成を簡素化できたことで、狙い通り運用の負荷が軽減され、スムーズなネットワークの追加・変更が可能になったという。さらに、ほとんどの拠点において通信速度が向上するという予想外の効果もあった。

「たとえば、本社に設置しているサーバーのデータをネットワーク経由で閲覧する場合、フォルダをクリックしてからフォルダ内のデータが表示される速度が、体感でわかるほど向上したケースもあります。

また、本社と三島住宅展示場では、夜間にバッチ処理でCADのマスターデータをやり取りしているのですが、以前は5時間ほどかかっていた転送時間が、半分以下の2時間ほどに短縮されました。これはうれしい誤算です」
(河野氏)。

CADのマスターデータは、業務の拡大に伴い、日々、増加している。以前のネットワークのままではデータの転送が所定の時間内に終了しなくなる日もそう遠くなかったかもしれない。

「通常の業務でやり取りされるデータも増加していますので、ネットワークの負荷が高まり、ルータなどを含めた既存のネットワーク環境を大幅に変更しなければならないと危惧していました。しかし、ECO-CONNECTを導入したことで、そのような不安からも解放されました」(渡邊氏)

7.内製化をより強固で有意義なものにするために

今後は、「ネットワークを含め、さらなるシステム活用方法を模索することで、内製化をより強固で有意義なものにしていく必要がある」と語る渡邊氏。

一方、河野氏は、「私たちも、これまで以上に現場の声を聞き、より使いやすく、よりお客様へのサービスレベルを向上できるようなシステムへと成長させるべく、勉強していきたいと思います。そういう意味では、フリービットのようなベンダーには、ぜひ私たち技術者が使いたい、活用したいと思うような技術を提供していただきたいと思います」と期待を寄せる。

事業の拡大に合わせて柔軟に運用・構築できるネットワーク環境を手に入れた平成建設。同社の躍進はまだまだ止まりそうもない。

担当者の皆様 ■担当者の声■

こちらの写真は、平成建設様の敷地内にある檜造りの大浴場で撮影をお願いしたものです。なぜ、敷地内に大浴場があるかは、秋元社長様の著書である『高学歴大工集団』を読んでいただければと思いますが、内製化にこだわり、やりがいのある職場を追求する平成建設様の象徴の一つだと感じ、この場所での撮影をお願いしました(大浴場でスーツというのは、少し違和感があるかもしれませんが)。
平成建設様と同様、東西エリア間のVPN接続でご苦労されているシステム管理者様・ネットワーク管理者様は多いと聞きます。記事の中にもあるように、 ECO-CONNECTではテストアカウントを発行し、一定期間、実際にお試しいただくことも可能ですので、ぜひ、お気軽にお問い合わせください(フリ-ビット株式会社 フリービットクラウド営業部 営業グループ 山崎 荘志、写真左)。


※ 株式会社平成建設のWebサイト
※ 記載の担当部署は、取材時の組織名です。
※ 取材日:2009年12月
※ 取材制作:カスタマワイズ

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